講演会名称:第18回 CMSAIコロキウム
開催日時:2024年12月9日(月)17時05分〜18時30分
講演会場:ファカルティルーム(7号館3階)※対面+Zoom配信 (要事前登録)
参加登録URL: https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEqf-CoqT0qHdR8412POo2n0ERipcxCqC0A
短縮URL : https://tinyurl.com/4p55u4hu
講演者:横⼭ 寛 ⽒(滋賀⼤学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター助教)
講演題目:「データ同化を活⽤したマクロな脳神経ダイナミクスの定量的理解」
要旨 :イメージング技術や信号計測技術の凄まじい発展により,全脳にわたる脳神経活動のマクロなダイナミクスを効率的かつ⼤規模に観察することが可能となっている。例えば,脳波などの⾝体的拘束が少ない⾮侵襲な計測⽅法からマクロな脳神経活動とそのメカニズムについて定量化できるようになれば様々な応⽤技術の開発に役⽴てることができる。しかし,⼀⽅でこうしたマクロな脳神経活動の背景には脳内のミクロな神経活動を由来とする脳領域間をまたいだ相互作⽤を伴う複雑なネットワークダイナミクスがあり,それらのメカニズムや機能的役割をデータ駆動的に解釈することは未だ困難である。
こうした問題に対して,我々はデータ同化を⽤いたアプローチによる脳神経ダイナミクスの定量的理解を⽬的とした⼿法開発研究を進めている。データ同化とは,観測データに基づく数理モデルの状態推定⼿法であり,データ駆動的に同定されたモデルは,観測時系列の背後にあるメカニズムの定量的理解の⼿がかりとなる。本講演では,ヒト睡眠脳波やゼブラフィッシュのてんかん発作中のイメージングデータの解析に本⼿法を活⽤した事例を紹介し,脳科学研究へのデータ同化の応⽤可能性について議論したい。